陥没乳頭とはどのような症状なのか

陥没乳頭は多くの女性に見られ、実際に困るのは赤ちゃんに母乳をあげる時です。成人女性の10人に1人は片側もしくは両側が陥没乳頭であることが多く、陥没乳頭にはさらに刺激を与えると乳頭が出る仮性と、刺激を与えても乳頭が出てこない真性とがあり、女性だけでなく男性にも起こりうる症状です。

陥没乳頭かどうかの判断は実際に乳首の部分を触って出てくるか出てこないかを見ます。日常生活においてさほど症状に困ることはありませんが、母乳をあげる以外にも、汗がたまりやすくなり乳腺炎になりやすい、清潔が保てずほこりがたまり炎症を起こしやすいといったことが起こります。

炎症を起こしてしまった場合は乳管炎を引き起こす可能性もあり、さらに陥没してしまった乳頭の下の部分に炎症が生じ、これが慢性化してしまうと慢性乳腺炎となり、高熱が出たり膿を押し出したりしなくてはならず、外科的に乳頭を引き出さなくてはならなくなります。

陥没乳頭の原因にはなにがあるか

陥没乳頭は産後の授乳の際だけでなく、美容面でもへこんで見えることからコンプレックスになってしまうことがあります。原因としては、乳腺と乳管の発育のバランスが良くないことがあげられ、締め付けのある服を着たからといって起こるものではありません。乳腺は母乳を作る器官であり、乳管はその作られた母乳を通す管ですが、この部分の発育がアンバランスになると生じやすくなります。

乳管が未熟なため短いままになってしまい、胸の奥の方に引っ張られるので乳首がへこんだ状態になってしまいます。胸の成長に乳管の成長が追い付かないことで起きており、比較的若い女性に多い特徴があります。

陥没乳頭は真性と仮性がありますが、一般的に先天性である真性が多いです。後天性の仮性は発育のアンバランスが原因ではなく肥大や乳乳腺炎などが引き金となっていることがあり、刺激を与えると若干出てくるのでいきなり陥没乳頭になるわけではありません。

まとめ

陥没乳頭の多くは乳管と乳腺がうまく発達できず、アンバランスな状態がきっかけとなって起きています。女性に大変多い症状であり、10人に1人は悩んでいます。

真性の場合は刺激を与えてもへこんだままのことが多く、仮性であれば刺激を与えると出てくるので、比較的どちらのタイプなのかを見極めることができます。そのままにしておくと授乳に影響を与えるほか、乳腺炎の原因となるので、清潔を保ち必要に応じて外科的な治療を行っていきます。